熊本県建設業協会青年部会との意見交換会を開催!
意見交換会


○日 時;平成25222() 15:3017:00  
○場 所;熊本県建設会館

出席者;熊本県建設業協会青年部連合会(16名)
     沖縄県建設業協会青年部会(12)


議事内容
1.発注基準・格付けの改正について
2.若年技術者の育成・確保に係る方策について
3.総合評価方式【事前登録制度】について
4.総合評価方式【災害応急活動】について

意見交換会概要


豪雨災害発生時の状況説明

□日 時;平成25年2月23日() 10:30〜
□場 所;熊本県建設業協会阿蘇支部
出席者;○熊本県建設業協会阿蘇支部   (1名)
    ○熊本県建設業協会青年部会     (6名)
    ○沖縄県建設業協会青年部会  (12名)

1.豪雨災害時の説明   熊本県建設業協会阿蘇支部 支部長 内田 知行 氏

○豪雨災害に至るまでの経緯
 阿蘇地方は阿蘇山を中心に外輪山で囲まれた地域である事から、阿蘇地域に降った雨は山の斜面から阿蘇市付近と逆側の熊本市内方面へ流れ出ていき、そこから黒川や白川へ流れが集中して河川の氾濫が発生する。
 当時、阿蘇では7月10日頃から毎日のように雨が降り続き、7月12日未明から1時間当り100mm超の大雨が3時間断続的に降り続いた。明朝6時頃から阿蘇外輪山の至る所で、爪でかいたように斜面崩壊が発見された。

○熊本県阿蘇地域振興局からの「大規模災害時の支援活動要請」までの経緯
 阿蘇支部では熊本県阿蘇地域振興局(以下、地域振興局)と「大規模災害時の支援活動」に基づく協定を締結しており、協定に基づき連絡体系を構築している。その中で河川や国道、県道のパトロール割当も会員内で行っている。
・12日未明3時頃、地域振興局土木部維持課より道路パトロールの要請が入った。
・要請を受けパトロールを行った所、道路が冠水してパトロールに出動できる状況ではなかった事からその旨を地域振興局へ報告。
・明朝5時頃、熊本県が災害対策本部を設置。7時頃に地域振興局より阿蘇支部へ「大規模災害時の支援活動」の要請が入った。
・要請を受け阿蘇支部土木委員長へ体制を取るよう指示を行い、各支部会員が連絡系統に基づき連絡を行い、各会員が担当路線のパトロールを行った。
・パトロール結果を地域振興局へ報告。報告を受けて地域振興局より機材導入等の指示が入った。
・地域振興局からの指示により阿蘇支部会員へ連絡。各会員が指示とおりに復旧活動へ出動した。

○大規模災害の支援活動時の問題点
・大規模災害時の支援協定締結後、初めての大災害であった事から連絡体系通りに連絡が行き届かなかった。
・国・県・市町村・民間からの応急活動の指示依頼が重なり混乱した。それに伴い人員不足になったがその状態さえ把握が出来なかった。※特に土嚢の依頼が重なった
・協力体制の担当路線や河川を把握していない会員がいた。
・災害箇所が多すぎる為、担当職員と現場立会いが出来なくて具体的な指示がもらえなかった。
・担当路線を点検後、翌日応急措置に現場へ行ったところ既に他の業者が対応していた。

○災害復旧活動の第一線で活躍する建設業者の姿
 小泉政権から公共事業は大幅に削減され、仕事が減少する中で従業員のリストラ、機材等を整理しコストを削減して、とにかく生き残る為にありとあらゆる手を尽くしてきた所に今回のような大災害が発生した。
 人も機材もとにかく不足し復旧活動に支障をきたした。リース会社へ連絡しても普段仕事がない事から置いていないとの事から、熊本市内の業者へ依頼したが、市内も災害で対応できる状況ではなかった。
 それでも我々業者は普段地元で事業を行わせてもらっている事から、地元住民の方々が1日でも早く普段の生活を取り戻せるように一致団結して復旧活動を行った。その活動を行う従業員自身の家族も被災している方々がいる中での対応であった。
 又、阿蘇市にある豚舎では8,000頭の豚が水死して全滅であった事から、豚の死骸を泥から掘り出し焼却場へ運ぶ作業や、鶏1,800羽も水死した事から隣町の土地を掘り出し埋客する等の作業も「家畜伝染病発生時の防疫業務に関する協定」に基づいて行った。
 建設業者が第一線で復旧活動を行い真っ先に現場へ出て道路の確保や被災されている方々の救助等を行ったが、新聞やテレビの報道では消防や自衛隊、警察等の活動が主に報じられ、我々建設業者の活動が表に出ることはなかった。その事は大変不満に感じたと同時にとても悲しい思いをした。
 しかし、地域住民の皆様から「ありがとう」「お疲れ様」とお声がけを頂いた時には、やって良かったと思えた瞬間でもあった。
 今後、我々業界が率先して災害復旧等の活動を行っている事を地域住民や一般の方々等に向けて今まで以上に広くアピールしていくべきだと強く感じた。

豪雨災害状況説明の概要

現場視察研修


国道57号阿蘇市滝室地区緊急迂回路設置工事

 熊本県建設業協会阿蘇支部にて豪雨災害の発生状況等の説明を受けた後「国道57号線阿蘇市滝室地区緊急迂回路設置工事」現場の視察を行った。
 同現場は、大雨による斜面崩壊で国道57号線が崩壊し通行が困難な状況であった。同路線は大分方面へ続くの唯一の道路であった事から、迂回路の設置工事を緊急に行う必要があったとの事であった。
 工事は緊急を要する事から、昼夜を問わず行われ工事中に斜面崩壊の兆候が見られた際はすぐさま避難を行ないがらの工事であったそうである。
 国の担当者からはとにかく早く行って欲しいとの要望もあ
る中での工事であり作業員自らも危険な状況下にも関わらず地域住民の安全・安心を守るという社会的使命感で工事に取り組んでいたのものと思われる。

■崩壊緊急復旧工事・架設設置工事
・発注者:国土交通省 九州地方整備局 熊本河川国道事務所
・工 期:平成24年7月12日〜平成24年8月31日※8月20日に開通

・施工費:約5億6千万
・施工業者:株式会社 杉本建設










災害復旧説明概要



■災害発生当時


■災害復旧作業


■迂回路設置工事完了写真
 ※写真は現場視察研修資料より抜粋