適正な利益が確保できる環境を
 第1回役員会を開催

平成29年5月10日



総会に提出する議案などを審議した

 

挨拶する下地会長

 

閉会の挨拶を行う比嘉副会長

 平成29年度第1回役員会が5月10日、建労センターで開かれた。

 下地米蔵会長は「県内の建設業界は好調を維持しているが、いつまでも続くわけではない。この好調を1年、更に1年と延ばすとともに、公共工事の平準化も要請して、お互いがうまく回るような状況にしたい。そして、適度な競争環境を作りつつ、利益があげられる状況を作らなければならない」と強調。県企業局発注工事については「以前、問題の改善について要請したが、依然として改善されていない。問題点は改善してもらうよう働き掛け、発注者の影響で赤字となる事態があってはならない」と問題点の解決へ取り組む考えを示した。また「工事を受注して必ず利益が出て、若年者を採用できる状況にしなければならない。協会が中心となって発注機関などと意見交換し、企業が利益を確保できるようにしていく」と適正な利益が確保できる環境づくりに意欲を見せた。

 議事では、まず会員資格の承継について(1件)が審議され、承認された。その後、第68回通常総会に上程する平成28年度事業報告や正味財産増減計算書、平成29年度予算書案、事業計画の方針などについて審議が行われた。

 平成28年度の事業報告では、社会資本整備の充実並びに会員優先活用に向けた取り組みとして、県発注に係る大型工事(MICE事業等)の県内企業の優先発注、県発注工事に係る発注及び施工期間の平準化の推進などを要請したと報告。災害復旧・防疫支援体制の整備拡充に関しては、県総合防災訓練(西表島)への参画、台風・大雨等による災害時の情報(GPS写真)収集を行ったとした。また企業の社会的責任(CSR)への対応、社会貢献等として、熊本地震の被災地への義援金、森川陽茉莉(ひまり)ちゃんへの寄付金などを実施したと説明した。労働環境の整備、労働災害防止対策、雇用改善事業の推進として、建設産業合同企業説明会の開催、沖縄県建設業ゼロ災運動の協賛並びに実施、雇用改善推進会議などを行ったと報告し、総会へ上程されることが承認された。その後、平成28年度決算、平成29年度予算案に関する説明があり、事業計画案とともに総会へ諮ることも承認された。

 その他事項では、平成28年度第2回九建協土木委員会について、仲程俊郎建設副委員長が報告。施工パッケージ型積算方式は、各県とも小規模工事では実情に合っていないと回答。同方式は施工パッケージ型積算基準書の改定が必要であることから、乖離となった事例等を九建協土木委員会でまとめて、九建協会長会議へ上程し、国土交通省へ要望する必要があるとの意見でまとまったと説明した。事後審査型総合評価方式における「自己評価型」の試行導入に関して、沖縄側から九州各県に導入の有無や効果、課題などを確認したところ、佐賀県、長崎県、大分県、沖縄県で導入し、落札決定までの期間が4〜5日短縮しているとの回答があったと説明。課題として、過大、過小評価による順位変動があるとした。九地整企画部と九建協土木委員会との意見交換会では、完全週休二日制モデル工事の労務費、共通仮設費、現場管理費の割り増しについて要望。これに対し、九地整は、休日による経費や工期の問題点等は承知しており、全国の発注者懇談会の場で同様な問題点が議論されており、国交省に伝えていきたいと回答した。

 このほかi-Construction【ICT活用工事】の導入状況を確認した。

 また比嘉正敏建設委員長が、平成28年度第2回九建協建築委員会について報告。沖縄から国交省一般管理費率の改定に伴う低入札価格調査基準の上限撤廃と現場管理費率の引き上げを提案し、九建協会長会議へ上程して九州全体で訴えていく必要があるとの意見で一致したとした。青年部会の津波克守部会長は、大分県建設業協会青年部会との意見交換会で、災害・復旧支援活動について、指示系統の統一化が大きな課題となっているとの意見があったと報告した。

 このほか、県企業局と沖縄県土木施工管理技士会との意見交換会について、技士会の新里英正会長(沖建協副会長)が報告。意見交換会を実施したことに関して新里会長は「2年前に沖建協会長から企業局の工事について改善を要請したことを受け、技士会としても改善に取り組んだ」と理由を説明。意見交換会では、技士会が管資材費に関して、県の資材単価と合わないケースが多々あり、企業経営に深刻な影響を及ぼしており、実勢価格との乖離をなくすよう調査方法等の改善を要望。企業局は経済調査会・物価調査会の調査結果で積算を実施しており標準的な価格であると認識しているが、その価格に乖離が生じているのであれば検証していきたいと回答した。また技士会は、補助監督員の対応及び業務執行能力で工事の進捗、工事原価が大きく左右されるケースが多々発生しており、不適格な補助監督員の排除を要望。これに対し企業局は、今後、現場において提案のあった事例が発生していることを発注者が把握できるような手法の検討が必要との認識を示した。さらに技士会は施工者が補助監督員を評価するシステムの導入の検討を提案したほか、一部の補助監督員において変更協議が認めてもらえないことがあるので、適切な指導を求めた。

 報告事項以外では、全建の平成29年度建設工事の施工上の工夫・改善、事業提案事例の募集告知、(公社)土木学会西部支部沖縄会からの依頼などについて周知があった。

 閉会に当たり、比嘉森廣副会長は「総会に上程する議案について審議してもらい、ありがとうございました。総会後に懇親会が開催されるが、各社から多くの社員が参加して場を盛り上げてもらいたい」と呼び掛けた。

○議事
 1.会員資格の承継:【那覇支部】先嶋建設梶i代表取締役黒島一洋)
 2.第68回通常総会について
  1)平成28年度事業報告、正味財産増減計算書
  2)平成29年度予算書(案)
○その他事項
 1.総務委員会報告(平成29年度表彰について追加分)
 2.平成28年度第2回九建協土木委員会(報告)
 3.九地整企画部と九建協土木委員会の意見交換会(報告)
 4.平成28年度第2回九建協建築委員会(報告)
 5.大分県建設業協会青年部会との意見交換会
 6.沖縄県企業局と沖縄県土木施工管理技士会との意見交換会(報告)
 7.全建「平成29年度建設工事の施工上の工夫・改善、事業提案事例の募集」について



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