沖総局と営繕事業で懇談会
 円滑な事業推進へ議論交わす

平成29年2月10日


丸田営繕調査官(前列左から4人目)と営繕担当職員ら

 

津波副会長(左から3人目)と沖建協関係者ら


 沖建協と沖縄総合事務局開発建設部の営繕事業に関する懇談会が2月10日、那覇第二地方合同庁舎2号館で開かれた。沖総局から丸田智治営繕調査官、橋本幸治営繕課長、伊集守昭営繕監督保全室長ら19人が出席。沖建協からは津波達也副会長、比嘉正敏建設委員長、仲程俊郎建設副委員長、源河忠雄常務理事ら17人が出席し、官庁営繕工事の円滑な施工確保に向け議論を交わした。

 丸田営繕調査官は「建設業はインフラ整備や災害時の対応など重要な役割を担っている。それが認識されて品確法の改正も行われた。皆さんが健全に経営できるよう、適正な利潤確保に向けて意見を交わしたい。我々には業界の声を聞いて、施策に反映させる役割を担っている。建築工事への要望については、我々に示してもらい、(改善したことを)県や市町村にも波及させたい」と述べ、意義ある懇談会となるよう呼び掛けた。また@情報交換の機会増A担い手確保の努力B工事の品質確保C事業の円滑推進(工事の受注)―の4点を要望した。

 津波副会長は「技術者・技能者不足による不調・不落問題は解決に至っていないのが現状。それらの対策を含めた諸問題の解決に向けて懇談会が開催されることは、大変有意義である。そして一般県民に良質な公共施設が提供されることに繋がると考える」と述べた。

 懇談会では、まず沖総局が官庁営繕工事の円滑な施工確保対策を紹介。沖総局側は公共建築工事の一般管理費等率と下請企業の経費率が引き上げられたこと、営繕工事における入札時積算数量書活用方式の試行、地域外労働者確保に要する費用で発注者が負担する分についてなどを説明し、企業が適正な利潤が得られるよう取り組んでいるとした。

 その後、沖建協が@現場管理費率の引き上げA完全週休二日制工事についてB社会保険未加入対策C離島工事における離島経費の計上D各地方公共団体への指導・周知(発注時期の平準化並びに適正な工期設定、「品質確保の促進に関する法律」の適切な運用)―の5件を議題として提案した。

 Aに関して沖総局は「営繕工事の標準仕様書では、平成19年度から『行政機関の休日に工事の施工を行わない』としており、土、日に作業する場合、届出をしてもらっている。既に対応しており、改めて現場を閉鎖しての完全週休二日を試行する等の予定はない」と回答。工期の基本的考え方においても週休二日を考慮するとされているとした。沖建協の津波副会長は「休日と給与がマッチせず課題となっている。施工の効率化も必要だが、課題解決へ取り組みが必要」と指摘した。Cについて沖建協は「市町村では変更協議などについて温度差がある。離島は作業員だけでなく技術者も少ないので、本島から連れて行く方が多い。その点も考慮してほしい」と要望。沖総局は「市町村にもマニュアル等の活用を促していく」と答えた。

 このほか、沖建協が会員に行った下請確保状況・人手不足実態調査と県内における建築工事に関する調査の取りまとめ状況を説明。下請確保状況・人手不足実態調査は357社に実施し、回答数217社・回答率60・8%(2月10日現在)で、現在も回収中。それによると、「確保」・「ある程度確保」が106社、「非常に困難」・「確保できない」が106社と半数が下請業者の確保に苦労している状況があり、そのために「入札できない」「入札辞退」といった影響が出ていることが沖建協から報告された。このような状況を受け、会員からの意見・要望として、官民問わず完成時期の平準化、機材確保・職人確保の調整期間を考慮した工期設定などが挙がった。沖建協では、今後も調査を継続し、回収率を上げることで、より現状に近い状況を把握したいとしている。また建築工事の受注状況も説明した。



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