県土建部と意見交換開催
 総合評価の改定などで議論

平成29年2月8日



県土建部と意見交換した

 

挨拶する照屋土木企画統括監

 

挨拶する新里副会長


 沖建協と県土木建築部の意見交換会が2月8日、県庁で開かれ、総合評価方式改定案や最低制限価格の算定方法、指名停止の基準などについて議論を交わした。沖建協から新里英正副会長、津波達也副会長、比嘉正敏建設委員長、呉屋明労務対策委員長、源河忠雄常務理事、喜屋武忠理事らが出席。県土建部からは、照屋敦土木企画統括監、上原国定土木整備統括監、豊岡正広建築都市統括監、津嘉山司技術・建設業課長、上原直美建設業指導契約監らが出席した。

 照屋土木企画統括監は「今回は5つのテーマについて、忌憚なく意見交換して、県として改善できることは、改善したい。業界にも課題があると思うが、協力し合って解決に向け取り組みたい」と呼び掛けた。また新里副会長は「会員からの要望を聞いて、今回、5つのテーマを提案している。話し合いを通じて、いい方向に運ぶことを期待する。そして業界と県が一体となって、業界の発展と沖縄のインフラ整備促進に取り組んでいきたい」と挨拶した。

 県土建部は、今年4月以降、総合評価方式の評価基準の改定を検討しており、改定案の内容について関係団体へ意見照会。県土建部の改定案では、@総合評価の特別簡易型における手持ち工事量を手持ち工事件数に変更A地域精通度に県内企業の下請活用や若手・女性技術者の配置などを設定B配置予定技術者の資格・年数、同一工種の施工経験、継続教育(CPD)の状況について配点アップ―などが主な変更点となっている。

 これに対して沖建協は改定項目が多いので、平成30年度以降に改定してもらいたいとした。@については、各企業が手持ち工事量を考慮して受注計画を立てていることから、今年4月ではなく平成30年度以降に施行してもらいたいと要望。Aについて県の改定案では、若手・女性技術者の配置または施策関連項目(発注機関が設定)のいずれかを評価項目として選択するようになっている。これに関して沖建協は、若手・女性技術者の評価を更に推進すべきとの考えから施策関連項目を削除し、若手技術者と女性技術者をそれぞれ加点対象とするよう提案した。Bについて沖建協は、経験年数の配点が高くなると、企業間で技術者の引き抜きが懸念されるため、現行の配点を維持するよう求めた。継続教育についてもCPD講習会は受講料の割高な講習会が多く、単位取得に企業コストがかかるので、変更しないよう要望した。このほか沖建協は、県等級格付で用いた独自評点を評価対象とするよう提案した。

 沖建協は手持ち工事件数での評価を今年4月から実施するのかと質問。県土建部は「実施時期については、皆さんと話し合って今後検討して決定する」と答えた。また、ほかの項目についても一部は暫定期間等を設定する予定とした。

 最低制限価格の算定について、県では100分の1の範囲内で減ずることができるとされているが、現状だと1%程度過少積算しないと受注できない恐れがあるので、適正な利潤確保のためにも100分の1の範囲内で減ずることを廃止してほしいと沖建協が要望。これに対して県土建部は、同額入札によるくじ引きの減少と高率な最低制限価格を設定することによる競争性の低下を防ぐ目的で設定しており、今後も継続していくとした。沖建協からは「減ずるだけでなく上乗せも可能ではないかという意見もある」、「制限価格の算定式は損益分岐点がベースとなっており、1%減ずるということは赤字になるということになりかねない」などの意見が出た。県土建部の豊岡正広建築都市統括監は「金額が大きくなると1%の影響も大きいので、内部の検討課題として発注金額に応じて減ずるパーセンテージを変えることも検討してはどうか」と提案した。

 社会保険未加入対策については、沖建協が平成29年度以降の県土建部の対応を照会。県土建部は建設工事請負約款に「一次下請は社会保険加入業者に限る」という内容の文言を追記し、3月1日から施行すると回答。またペナルティーの内容や実施時期については未定で、決まり次第、通知するとした。これに対して沖建協は「3月の適用は性急な気がする」、「猶予期間を設定した方がいい」、「未加入者を無くすための取り組みなので、実施時期を明確にした方がいい」などと指摘した。

 指名停止基準に関しては、沖建協から「下請の原因で事故が発生したのに元請が指名停止を受けるケースがあり問題」、「元請の指導範囲が曖昧」などの意見が出た。このほか、離島工事における離島経費の計上に関する要望、外国人労働者の受け入れ状況、公契約条例などについて意見交換した。また県土建部が来年度以降、営繕工事で入札時積算数量書活用方式を試行すると報告した。



  このページの先頭にもどる