人材確保の方策で議論交わす
 建設雇用改善推進会議を開催

平成29年1月19日



若年者の入職促進などで意見交換した


 

挨拶する仲本副会長

 若年労働者の雇用問題について建設関係団体と行政機関、教育関係者らが意見交換する平成28年度第1回建設雇用改善推進会議が1月19日、建労センターで開かれた。会議には、沖建協から仲本豊副会長、呉屋守孝総務委員長、呉屋明労務対策委員長、源河忠雄常務理事、喜屋武忠理事ら本部役員、各支部長が出席。建設関係団体からは(一社)沖縄県電気管工事業協会の中村達会長らが出席した。行政や教育機関から沖縄労働局職業安定部職業安定課の山城豊隆地方職業指導官、県商工労働部雇用政策課の喜友名朝弘課長、同部労働政策課の小納谷研一技能五輪・アビリンピック準備室長、県土木建築部技術・建設業課の上原直美建設業指導契約監、県教育庁県立学校教育課の宮城淳副参事、沖縄県高等学校長協会工業部会の小禄健夫部会長、同協会農業部会の新垣博之部会長らが出席した。

 議事に先立ち、沖建協の仲本豊副会長は「県内企業では人手不足が大きな課題となっている。建設雇用改善推進会議では、若年者の雇用拡大に向けて資格取得支援や普通高校への人材確保などを目的に昨年6月に建設産業合同企業説明会を開催するなど、これまで以上に若年者の雇用に重点を置いて活動を進めてきた。29年度から新たな取り組みとして、地域連携ネットワークを活用した技術者・技能者の育成のための研修、講習会といった事業を進めていく。今回の会議で有意義な議論ができればと考えている」と呼び掛けた。

 労働局の山城地方職業指導官は昨年11月末の新規高卒者(平成29年3月末卒業)や新規大卒者などの求人・求職・就職内定状況などを紹介。県内の新規高卒者の就職内定率が59.7%で過去最高、県内の新規大卒者の就職内定率(昨年11月末現在)が51.2%と、過去2番目に高い数字だったと報告した。昨年度より同時期の内定率が上昇している要因として、求人票の早期提出などを挙げたが、全国と比べると、まだ低いので、引き続き取り組みの拡大が必要との認識を示した。一方、建設業への就職状況は、求人数が313人と1年前より14増えているものの、内定者が58人と1年前と比べて1人減となっていると説明した。

 新規高卒者の就職希望者数が2,340人で前年比0.1%増、このうち県内事業所への希望者が1,680人で前年同月比1.1%増、県外事業所への希望者が660人で前年同月比2.2%減となっており、就職希望が県内にシフトしてきていると分析した。新規高卒者の県内求人数は2,596人で前年比4.8%増、卸売・小売業が456人と最も多く、宿泊・飲食サービスが444人と続いた。

 県教育庁県立学校教育課の宮城副参事は、昨年12月末時点の新規高卒者の就職状況について、内定者数、内定率ともに前年度同月比で上昇していると紹介。その要因について、希望進路決定や学校での就職活動時期、事業所の採用活動などがいずれも早期化したこと、求人数の回復、各支援事業の強化による各学校の取り組みの充実などを挙げた。また昨年6月に開催された建設産業合同企業説明会も一定の効果があったと考えているとの見解を示した。

 協議事項では、沖建協が平成29年度から地域連携ネットワーク構築支援事業を活用して、担い手確保・育成のための取り組んでいくと説明。事業実施に当たっては、雇用改善推進委員会や地域別産学懇談会で教育訓練体系や効果的な広報のあり方などを検討するとした。

 また今年6月に建設産業合同企業説明会を開催したいと提案。これに対して、会議の参加者から「前回からの改善点は」との質問があり、沖建協の久高唯和庶務課長が「普通高校への呼び掛け実施、専門学校のブースを設置する」と答えた。専門学校のブースを設置することについて、仲本副会長は「建設業に入るための道筋を示した方がいいということで、専門学校のブース設置を行う。(高校生に)就職だけでなく、進学という選択肢も示せる」と狙いを語った。このほか、沖建協の平成29年度建設雇用改善推進事業計画案や高校生向けの車両系建設機械運転特別教育の実施日程案などが示され、承認された。29年度の建設雇用改善推進事業計画案では、新規採用予定企業リストの高校や大学への提供、各種資格の取得支援のための講習会等の実施、新入社員等研修、高校生現場見学会などの事業を実施していくことが事務局から説明された。高校生向けの車両系建設機械運転特別教育について、出席者から定員を増やしてほしいとの要望が挙がった。

 意見交換では、「高卒者の定着率が悪い。学校側で1年以内に離職した生徒のフォローのほか、(会社側へ)情報提供もしてほしい」、「建設業に入りたくても家族などの理解がなく、入らない傾向もある。離職させないために労働環境の向上が必要と感じている」、「情報共有が重要。建設業界は雇用面でも受け皿として大きく、大事にしないといけない」、「資格取得には費用が掛かるので、助成してくれるというのは助かる。また景気に左右されず毎年、建設産業合同企業説明会を開催してほしい」、「早期に就活をスタートさせた生徒の定着率は高い」といった声が挙がった。

 このほか、「離島では、建設超のPR機会として、学校でブースを設置して、企業紹介等を行う予定となっている」との報告があった。




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