美里工高で鉄筋・型枠実技研修
   〜生徒の成長を後押し〜
平成28年7月20日

仕上げに向けて作業する生徒ら

 沖建協では6月10日から沖縄市の美里工業高校建築科の3年生を対象に、型枠および鉄筋の加工・組立を行う実技研修を開始し、7月20日に第1班の研修が終了した。同研修は、将来建設業を担う生徒たちの技術・技能の育成や担当教諭に型枠に関する指導方法を伝えることが目的。講師には玉城保氏(1級建築士・1級建築施工管理技士)を迎え、躯体施工図からの寸法の読み取り、墨出し、型枠の加工・組立、鉄筋加工・組立の実践演習を行う。期間は12月6日までで、生徒は3班に分かれて11回にわたり指導を受ける。
 研修初日、沖建協の呉屋諒主任は「講師の玉城さんはこれまで何十年と現場代理人を務めた熟練の先生。11日間の短い間だが、皆さんが協力すれば予定している以上のことが学べる」と呼び掛けた。続いて、玉城氏は「入社したばかりの頃、周りの人がみんな頭のいい人≠ノ思えて自信がなかった。しかし、1級建築士の資格を取ってから自信が持てるようになった。最初は自信がなくても、資格を取ったり、経験を積み重ねる中で、突然自信が生まれることがある。皆さんにも必ず変わる時がやってくる。そのタイミングを逃さずに捉えて欲しい」と生徒らを激励した。
1日目の座学では、躯体設計図の読み方や型枠の組立てや解体の要領を説明し、墨出しまでを行った。2日目から8日目までは4グループに分かれて型枠加工を実施。9日目から11日目で型枠の組み立て(建て込み)と金具による締め付けを行った。
 11日間の研修を振り返り、ある生徒は「最初、図面を見た時にはどう組みあがるのかが全く想像できず、あまり楽しめなかった。でも組み立てが始まり、形ができてくると急に楽しさが沸いてきた。型枠の組み立ては難しかったが、その分達成感もあった。これからもいろんなものを作っていきたい」と話し、ものづくりの楽しさに目覚めた様子だった。
 講師の玉城氏は「最初はハンマーもうまく扱えないほどだったが、研修を通じて非常にうまくなった。手先が器用でコツさえ教えればすぐにできる子たちばかりだった」と目を細めた。
 沖建協では工業高校を対象とした現場見学会やインターンシップなどを実施し、建設業界のニーズに沿った人材育成を支援している。同協会の源河忠雄常務理事は「普段の学びは座学が中心だが、研修では実寸大に近いものを作っている。われわれの業界としては経験者が優先されるため、高校時代に実技を経験するのは重要なことだ。学校側からの依頼で協会から初めて講師を派遣したが、良い試みだったと思う」と語り、研修の成果に期待を寄せている。



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