総合評価などで改善求める
 〜 青年部会が県土建部と意見交換 〜
平成27年11月10日

県土建部と沖建協青年部会が意見交換した
 青年部会と県土木建築部の意見交換会が11月10日、県庁で開かれ、総合評価方式や積算関係などについて議論を交わした。
 青年部会からは仲程俊郎部会長、津波克守副部会長、黒島一洋副部会長、古波蔵太志事業・研修委員長らが参加。県土建部からは照屋敦土木企画統括監、伊禮年男土木整備統括監、宮城理建築都市統括監、津嘉山司技術・建設業課長、金城学建設業指導契約監、喜屋武元秀都市モノレール室長らが参加した。
 仲程部会長は「県土木建築部においては、入札制度をより良い制度にしていくため、総合評価方式の改正など積極的に取り組んでいることに、心から感謝している。会員企業の多くは人材不足に苦慮しており、今後も総合評価方式の改善や入札から落札決定までを速やかに行うことを期待している。今日は率直に意見交換したい」と挨拶した。照屋土木企画統括監は「昨年は、青年部会と総合評価や積算、最低制限価格の引き上げなどについて議論している。本日も3つのテーマが用意されているが、忌憚なく意見交換したい」と述べた。
青年部会は総合評価方式の事後審査型における提出資料の統一化、評価点数の確認手法、落札決定までの期間短縮、入札中止の際の対応、土木積算基準書における共通仮設・現場管理費の見直し、金抜き設計書の提示方法、災害発生時の指示系統などを議題として提案した。
 総合評価の事後審査型における自社の評価点数について、落札決定後にしか確認できないため、透明性を図る観点から、証明書類提出時に実績の不備や加点の見直しなどを受・発注者双方で事前に確認する手法について検討するよう要望した。また参加企業へ点数が通知された後に、通知された点数をチェックする時間が少ないので、点数を精査する期間を設けてほしいと提案。これに対し県土建部は「総合評価方式の評価は申請書類で行っており、証明資料は申請書の内容確認のために提出してもらっている。そのため証明資料については、申請者で申請書類作成時に確認してもらいたい」と回答。点数の妥当性のチェックについては、ミスがあると重大な事態になりかねないので、検討していきたいとした。
 積算については、土木積算基準書において、落橋防止装置、浮桟橋、仮桟橋上部材料、管渠FRPM管などの資材が経費対象外と明記されていないが、共通仮設・現場管理費の対象外となる場合があるため、改善を求めた。県土建部は、土木工事標準積算基準書において、簡易組立式橋梁を共通仮設費の対象額に含めないこととしているとした上で、仮桟橋上部材料は簡易組立式橋梁に当たるので、適切に積算されていると回答。また対象構造物が簡易組立式橋梁とわかるよう、今後、表現などを工夫したいとした。
 金抜き設計書の公表については、1次単価表までの場合と下位金抜き単価すべてを参考提示される場合があるが、精度の高い積算が出来る事や質疑の件数低減にも繋がると考えられるので、下位単価表まで全て参考提示するよう求めた。県土建部は、現在、同部発注の土木工事で設計金額が5、000万円以上の工事で金抜き設計書の提示を試行しているとした上で、対象工事の拡大に向けた検討を行っているため、下位単価表の提示についても併せて検討していきたいと回答した。
 提出資料の統一化に関して青年部会は、各土木事務所で求められる資料が異なることから、県土建部として統一するよう求めた。県土建部は「総合評価方式における評価参考資料」として、評価及び提出様式等について統一するよう準備しているとし、年内にホームページなどへアップしたいと答えた。落札決定期間に関して、現在、証明資料の締切日から落札決定まで約2週間かかっており、技術者の拘束に繋がっているので、証明資料提出から約1週間以内で落札決定するよう青年部会が要望。これに対して県土建部は、書類審査等を行うために2週間程度が必要とした。また入札中止については個別の事情があるので、回答できないとした。
 これらのテーマのほか、青年部会が熊本県や広島県の豪雨災害の復旧状況を視察したことを踏まえ、災害発生時の指示系統についてディスカッションしたいと提案。県土建部は、「大規模災害が発生した場合の国、県、市町村、関係機関等からなる指示系統が現時点で明確になっていない」とした上で、国や関係機関と調整して対応を考えたいとした。
 このほか入札不調・不落について意見交換し、「通常の積算と実際に掛かる費用に差がある」、「小規模離島では積算単価と実勢単価が合わない」、「技能工や技術者が不足している」などの声が上がった。



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